RON DESIGN / ArticiousCo.,Ltd.

EN  /  JP

誰かの記憶に残るということ

早いもので六月も半分を過ぎました。六月が半分ということは、2024年も半分もうすぐ終わってしまう・・。と月日の経つ速さを感じています。月日が経つと言えば、2019年から始まったコロナにより、この間いろいろな人と会う機会がなかったと言えます。私の70台の叔母は、65歳で退職して、その後ご主人と海外旅行を計画していたそうです。しかしながら、当然のごとく中止となりました。もちろん解禁になってすでに旅行にはいったものの、その時叔父がこのブランクは、70代の僕たちには、大きいと言っていたことを思い出しました。家族は別として、仲間たちと会わない時間って共有する思い出も空白だったわけで、記憶を共につなぐという意味では、時間がワープしてしまった気がしています。

さてそんな中、私も所属団体英国インテリアデザイン協会日本支部の総会が大阪であったために久しぶりに大阪を訪れ、懐かしい面々とまた初めてお目にかかる人たちと時間を共有いたしました。ズームやSNSでは何度も顔を合わせているのですが、リアルに会うイベントは、やはり非常に楽しかったです。会は、総会とセミナーの二本建てで執り行われました。

セミナーでは、前会長イリアの沖野さんがファシリテーターをされて、元会長のBABAID澤山さんのイギリスと日本でのリノベについての話。外部ゲストは、近畿大学の宮部先生、関西大学の岡先生、そして(公財)文化財建造物保護協会の片桐先生をお招きしてリノベーションという軸で新旧を織り込む改修。守るために行うことと、さらにこの素材を生かし新しいものを生み出すことに挑む話。そして現代の和室の在り方特に床の間の在り方に関してのお話がありました。どれも興味深い話で、住宅医のコースをすべて修了した私にとっては、とても勉強になりました。

それから、その後の懇親会が楽しかったのは言うまでもありません。どんなにAiが発展しても、やはりリアルに会うということ、空気を感じるということは大切です。人との輪って大切だなと思ったし、「久しぶりだね。元気だった?変わりない?」といった調子でまさに記憶をつなぎなおす夜でした。

前述のセミナーの時宮部先生が、『建築は記憶の縁であり、世代を超えて語ることができる物語であり、リノベーションは、過去からのバトンを次につなぐリレーだ』とお話になったお言葉は、私には妙にガツンと響き、記憶に残る仕事をしている私たちは、そこを訪れる人に対し、責任ある立場で、いい空間を作っていかなくてはと考えながら東京に帰りました。

写真はやはり大阪市民の記憶に残る大阪市中央公会堂公会堂の歴史|公会堂について|大阪市中央公会堂 OSAKA CITY CENTRAL PUBLIC HALL 国指定重要文化財 (osaka-chuokokaido.jp)です。

よい週末をお過ごしください。

 

 

2024/6/21