FF＆Eとは、Furniture, Fixture and Equipmentの略で、家具什器備品を意味します。
インテリアデザイナーは、空間構成やマテリアル、ウインドウトリートメント（カーテンやクッション）を決めていきますが、FF＆Eデザイナーの提案は欠かせません。これがいいね、これをクライアントに提案していこうと旗振りをします。総合的な指揮者の役目です。
建築やインテリアの現場では、いかに素晴らしい駒を一つずつうまく積み上げていくかが、重要なテーマとなります。その中の、どの一つが欠けてもうまくいきません。
もちろん、お買い物をされるのはクライアントです。大事なクライアントのお金だからこそ、同じお金でクッション一つ買うのでも、カッコいい、似合ってる、大好きだと思い、大切にしてくださるモノを提案します。
きちんと学術的にセオリーを立て、コンセプトやキーカラーを決めて作り上げていく空間にはそれが必要で、だからこそ、素晴らしい空間ができるのです。
住まいにとって、快適さは当たり前のことで、わざわざ言うべきことじゃない。クライアントの好みや人生に合わせて、いかに胸がキュンとする空間を作れるか、それが一番大切です。それはいわば、化学反応のようなものです。
そのために、FF＆Eは重要な役割を果たします。
FF＆Eは、海外では当たり前です。イギリスで勉強したとき、第一線で活躍しているFF＆Eの方の授業を受けたことがありますが、彼女の頭の中は、まるで商品のシンクタンクのようでした。
私の信頼するRON DESIGNのFF＆Eデザイナー、廣島弘美もそうです。クライアントの予算に合わせて、幅広い範囲の中から最適なものを選ぶ力は卓越しています。高価格でラグジュアリーなものも提案しますが、一方でアマゾンも大活躍。それは、エルメスとユニクロを合わせた高度なファッションコーディネートテクニックのようで、私自身が彼女のセンスの一番のファンです。
私の作った空間をさらにグレードアップしてくれるFF＆Eデザイナー。もっと頑張って彼女の力がもっと発揮できるステージを作っていくのも、私の密かな目標なのです。