建築設計 / インテリアデザイン
構造:混構造 (1階RC+2階木造)
延床面積:462.95㎡
家族構成:夫婦+子供4人+犬2匹
撮影:藤井 浩司 / TOREAL Inc.
別子銅山で栄えた愛媛県に住む施主は、国際海運業を代々の家業とする6人家族。
1800㎡超の敷地に、両親の家と先祖から受け継いだ蔵と邸宅が、美しい日本庭園中央の大きな松の木を中心にゾーニングされている。古き良きものを受け継ぎ、新しい風を起こし、発展させていく人生を反映し応援するように「異なる要素の斬新で美しい融合」を、異構造RCと木造、日本の伝統技術とコンテンポラリーデザイン、日常と非日常を行き来するマンケイブなどあらゆるレベルで実現することをコンセプトとした。
キーカラーは、豊穣の色「マルサラ」。マヤ・アステカ・インカ文明で銅器の始まりを示し、別子銅山と共に家業を発展させた一家を象徴する色でもある。
日本の伝統工芸をコンセプチュアルに活かしたリビングでは、南面する四国山脈の稜線から起こる新しい風の発想から、海・波・水・風のモチーフを京友禅作家による京和紙のふすまと櫂の形の引手で表現。世界的左官職人の久住有生氏による二層吹き抜けの左官壁が、空と繋がる開放的な空間に品格を添える。1階は駐車場とトレーニングルーム、LDKで構成。2階は主寝室と子供室、水廻りとWIC、そして玄関から直接アクセスできるマンケイブ。
国際的な賓客をもてなす非日常空間を、サステナブルがテーマのアイアンアートと、窓の外の蔵が見守る。